新しいリノベーションの
「物語」が始まります。

昭和52年に新築された築40年の家

上田市内、中山間地の古くからある住宅地に建つ昭和52年に新築された築40年の家。
周辺は田園が広がり、遠くには里山の隙間から菅平高原が見える上田市内でも自然が豊かな場所にこの中古住宅はあります。また今どきの住宅地よりも一件当たりの土地も比較的広めのせいもあり、敷地的にもゆとりを感じさせます。

丁寧に建てた在来工法の家だから改築ができる

当初からの住まい手の「小さくてシンプルな家」という大前提に考慮して、2階部分と増築部分をを取り除き、「減築」し、シンプルな平屋にしたうえで、コンパクトに使い勝手良く間取りを整理し、あわせて耐震化と断熱改修を行い、一番傷みやすい水廻りを一新させます。

そしてすべてをただ新しい新築のように生まれ変わらせるわけではなく、使える部分は利用し、新しい家では決して表せない、古い家だからこその時間を経た味わい深さや雰囲気を大事にしながら、残すところと新しくするところを見極めて計画していきます。

昭和52年建築の様子

建築中の、建て方の時の写真をお借りしました。
建て方=棟上げは木造建築の現場では大きな節目の一つ。
今でこそプレカット工法が増えて、ほとんどの現場では材木はプレカット工場から直接搬入されます。大工さんはいわばこの日が仕事のスタートとなります。
当時は大工さんが自分の工場で木を選び、柱や梁に墨付けをし、継手や仕口の加工をつくり何日も前から下ごしらえをして建て方の工事を迎えるスタイルが一般的でした。(当社は新築の場合、今でもこのスタイルが多いです)

この建て方という日、棟上げと呼ばれる行事は家主にとっては、我が家の棟木(屋根を支える一番高いところの部材)が上がり、屋根が出来るというおめでたい日であり、上棟式を行います。現在でこそ簡素化されてますが、昔は屋根からごし餅をまいたり、仕事が終わって宴会が用意されていたり暮らす人、造る人、近所の人みんなでこのお祝い事を分かち合う日でもありました。
そして大工棟梁にとっては、大勢の人が見守る中、今まで準備してきた仕事に間違いがないか、滞りなく家の骨組みがきれいに組みあがるか、そんな緊張の一瞬でもあります。

この写真から見て取れるように、たくさんの大工仲間が棟梁のバックアップに駆けつけ、近所の人たちも集まり、大勢の人がいるのが分かります。
この数枚の写真からだけでも、家主の家づくりへの思いや、当時の職人たちの生き方、隣近所や、地域との関係性などを感じることが出来ます。

住まい手が変わり、更地にされてしまうことで、そんな思いや歴史もリセットされ一旦振り出しに戻ります。
しかし、この建物を残し、リノベーションすることで新たな価値と新しい暮らしを生み、存在することで住まい手が変わってもこの場所で暮らすこと、この場所での歴史は続いていく気がしています。

築40年の2階建ての家を「平屋」にリノベーション

家自体はこの頃のスタンダードな間取りの木造2階建ての在来工法の家。
保管されていた建て方(大工職人が家の柱、梁などの骨組みをくみ上げる工事の工程) の写真、そして売り主様の記憶から、ハウスメーカーや大手ビルダーではなく地元の棟梁が請負い、手刻みで丁寧に建てた家と思われます。

時間相応の劣化や痛みはありますが、それでもまだまだ十分使えると判断できました。
構造的にはむやみに柱を取り除いたり、無理な間取りの変更をしたりして負担をかけることは極力抑え、傷んだ部分の補修や交換と現状の補強程度としていきます。
完成は年内に予定しています。

図面

次の物語...

次回はこの中古住宅をリノベーションして暮らすcustomer(お客様の紹介)です。

520日に公開いたしました。

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